朝の通勤電車は自分のそうだが、総じて不機嫌な連中ばかりで
無言の中でじっとしている。
そんな矢先に、ムググ、ガーー、ススス、、ガーー、スススと
気持ち良さそうなイビキの音が。
くっそぅ、イヤに気持ち良さそうじゃねぇ〜かよ、おっさん。
別に他人に迷惑をかけているわけでもないのだが、その気持ち
良さそうな音が結構、迷惑だったりする。
ちょっと耐えていると、今度はどこかのアホのケータイの着メロ
が鳴り出した。パッヘルベルの”カノン”だ。
オイラはこの名曲はかなり好きな部類なのだが、アホのケータイ
から鳴ると幻滅してしまう。
これを鳴らしている張本人は一向にケータイを止める様子がない。
たぶんあのヘッドホンをしているバカそうなOL風のあいつだ。
音楽を聴いているらしく自分のケータイが鳴っていることに気が
つかないのだ。
そして世間の冷たい視線が彼女を睨む、睨む、睨む、睨む、睨む、
最初のうちは「なんでみんなアタシのことをジロジロみてんの
よぉ」と言いたげだった彼女もその理由を把握し「やだぁ〜えっ、
これ私の?」とか言って、とぼけていやがる。
周囲の全員が「そーだよ、お前んだよ、早く止めろ、ボケっ!」
と目で訴えている。
せっかくのパッヘルベルのカノンも彼女のせいで、パッパラ・ベル
になってしまい、バロック音楽もバーロー音楽って感じだ。
朝の満員電車ではケータイはマナーモードにしておこうと痛感した。
No.(120)
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